■ 抄録・要旨
| 管理型廃棄物最終処分場の廃止に関する考え方を整理するためにも、実処分場における埋立廃棄物の安定化の実態などを把握する必要がある。本研究の調査対象処分場は焼却灰、不燃物、溶融スラグ等が埋め立てられ、埋立終了後3,100日以上が経過しており、浸出水、ガス及び層内温度は廃止基準を満足している。さらに層内の状況を確認するため、埋立終了後約1,660日目に場内観測井を設置し、保有水及びガスを調査した。その結果、保有水のBOD値が最大2,700mg/L、メタンガスが最大16.8%、水素ガスが最大12.9%であり、廃止にはさらなる年数が必要なことがわかった。場内観測井など外気の影響を受けにくい施設によるモニタリング結果は、処分場の廃止にあたっての貴重な情報になると考えられる。
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